長い休日

とにかく書く。

ベストアルバム論、その2の3。

9. がんばりましょう

意外や意外と低い 44 位。個人的にはもう少し上でもよいなと思いつつ、この時期の楽曲が少ないのがこのベストアルバムの唯一の残念な点ではある。

“この時期”、この第二期の模索期から第三期の 6 スマ期の楽曲は、SMAP における一つのピークといっても過言ではない。それは、この曲をはじめとして『KANSHAして』、 『しようよ』、『どんないいこと』、『胸騒ぎを頼むよ』などの楽曲群のポテンシャルのクオリティーの高さ、それを支えるアルバムにおける豪華なミュージシャンの競演、そしてソロはもちろん、パートごとの声のバランスの良さとそれに伴うパフォーマンスの華やかさなど、 様々な点が挙げられる。

この『がんばりましょう』も木村ソロ、森ソロの後に、中居・稲垣パート、草彅・香取パートと続いてサビへ向かう。そして間奏では円形に囲んでのダンスバトルと、非常にフックが多い楽曲であるが、この時期の楽曲はこの若さ(ひいては青さとも言える)を武器にしたパフォーマンスの質の高さが一つの SMAP の特徴と言える。

 

10. 俺たちに明日はある

続いても、低い 48 位。まあ、ギリギリ入ったので、良しとする。

パフォーマンスとしては、3-3 のパートがあったあと、木村ソロが入って、サビという曲の構成。ダンスとしては、スタンドマイク。これがまたカッコいんだ。 このように、パフォーマンスもさることながら、この曲でのトピックは 2014 年の 27 時間テレビ内で放送されたモキュメンタリ―ドラマのタイトルとしてだろう。そしてその内容は、まさに SMAP 解散というソレだった。 結局、真実について彼らはこのドラマ内でも直接語ることはなかった。そして解散しないことを発表したのはライブ、ファンの前だったことは彼らの在り方として印象的なシーンだったと言えるだろう。ちなみにこのドラマで歌われた楽曲はこの『俺たちに明日はある』 と、Disc3 に収録された『どうか届きますように』の二曲であった。

余談一。ドラマパートのあと、番組は「ワイドナショー」のコーナーへと移ったのだが、その際の衣装はドラマラストとのライブ衣装であった。リアルとフィクションの境目がよくわからなくなる 一瞬。

余談二。ドラマパート内でメンバー揃っての撮影のシーンがあるが、これはこの番組内で急きょ発売が発表されたアルバム『Mr.S』のプロモーション写真だったりする。本人たち はその発表に驚いていたが...。リアルとフィクションの境目がよくわからなくなる一瞬。

余談三。『Mr.S』のコンサートでもアンコールで歌われている。衣装は、『Mr.S』のメンバースーツ。 アンコールで歌ったことにも何か意味があったのかもしれないと思うと、この楽曲が入って良かったと思う瞬間。

 

11. 青いイナズマ

36 位という手堅い順位。 森君脱退という非常にナイーブな時期に出されたシングルではあるが、文字通り彼らの代表曲として名高い楽曲である。 パフォーマンスとしては過渡期という印象で、木村ソロ、稲垣ソロと続いてほか三人 のパートでサビという構成。個人的にはサビの「Get you!」も嫌いではないが、B メロで中居君が下二人を連れて真ん中から出てくるダンスパフォーマンスが地味に好き。

ちなみに PV はロンドンで撮影されたもの。そこでのフォトセッションは『SMAP 009』 に収録されている。必見。

 

12. SHAKE

これまた 27 位という手堅い順位。ライブの定番曲が、中盤あたりに固まっているのかもしれない。

この曲も、5 人になる過渡期という印象。理由は二枚目のベストアルバム 『WOOL』にある。 この『WOOL』発売時点では次曲の『ダイナマイト』までがシングルとしては発売されていたのだが、収録されているのは『SHAKE』まで。これが 6 人時代の区切りとして、 ここまでと見てください、という表れなのではないかと思っている。 ただ、作曲陣の真新しさや、パフォーマンスのダンスの抜き具合、若しくは衣装のカジ ュアルさなどはだんだん雑食期へと変化していっている。ここから、6 人時代とはまた異なる若者像を提示することとなる。

 

13. ダイナマイト

47 位という、これまたスレスレの順位。こういう王道の楽曲を入れるために、50 曲も収録したんじゃないかと思えてきた...。

『青いイナズマ』『SHAKE』『ダイナマイト』と踊れる楽曲三連続という感じで、このラインがライブの定番曲の中核になっている。楽曲のポテンシャルもそうだけど、ソロと各自のパート割も絶妙。この曲は香取ソロ。ソロパートがあるのに、木村ソロがないシングル はこの曲だけとか。

 

14. 夜空のムコウ

有名すぎるミリオンセラー、ファン投票でも堂々の 13 位。

アイドル楽曲、特に SMAP は、その曲のクオリティーの高さもあってか、本人が歌えばもっと良いのにという言説もあるが、スガシカオ曰く「この曲を時代とつなげたのは SMAP」と太鼓判を押す楽曲。

売れるアイドルっていうのは、まあ顔が良かったり、歌が上手かったり、という技術的な部分もあると思うけど、一番は時代を反映できているかどうかだと考える。スガシカオバブル崩壊後に就職していたところも詩に反映されているのかもしれないが、それがアイドル氷河期と呼ばれる時代にスターダムに上がって、時代を掴み取った曲が華やかな曲じゃなくて、 味わい深いバラード楽曲というのが、もしかしたら SMAP の醍醐味なのかもしれない。

「あの頃の未来に 僕らは立っているのかな」という詩がスガシカオ曰く、発明らしい。 「過去の未来としての現在」を歌うという複雑な視点がこの歌詞に集約されているのだが、 それをあえて SMAP にぶつけて、それに応えて売れちゃうんだから不思議なものだ。

楽曲の話というよりかは、スガシカオの話が殆どになってしまったが、まあのス ガシカオも好きなんです。もしかしたら次はスガシカオかも。

 

15. たいせつ

49 位。個人的には、入っていて一番驚いた楽曲。

キラキラアイドル路線をとっくに捨て去り、歌詞では「スーパーマンじゃないけれど」 と軽く歌う。 もしかしたら彼らの楽曲のなかで一番、跳ねている楽曲かもしれない。

発売直後のライブパフォーマンスも好き。

 

16. Five True Love

ここで初のアルバム曲、『SMAP013 BIRDMAN』から、41 位。そして、初のメンバー紹介曲。

それにしても上手いこと一枚ずつに、三曲の FIVE シリーズがバラけたもんですよ。

さて、この楽曲のメンバー紹介の順番は年齢順である。実はこの後の楽曲ではメンバー順が、変わっていたりするのだが、それは後々。

歌詞は、まだまだ若々しくて勝気。曲調もドッシリとしたロッ クテイスト。ライブではよりブラスセクションが加わって、よりファンキーかつファンファーレ感が強くなっている。

ちなみに、SMAP は森君がいる 6 人というのをメンバーは強く持っているけれど、メンバー紹介曲で必ず 5 という数字を強調するのは、一人いないことを結果として意識する ためだと思っている。この失ったものが残っているものから透けて見える感じが、SMAP の今にまで続く魅力の一つだと考える。

 

17. らいおんハート

ようやく 1 枚目の最終曲。ミリオンセラー、そして 10 周年へのバラード、ファン投票 は 23 位と堂々の順位。

特徴としては、一番 A メロ丸々木村拓哉だろう。これに中居正広はメロメロだったとか。ただ、地味に中居ソロが好き。また、アルバム『S map』には、メンバーのパートが入れ替わったバージョンも入っている。

意外とライブで歌われることが少ないけれど、個人的には 2008 年のライブバージョンが好み。

エジプト・ステーション!

 

中学受験で、指定の受験校に受かればエジプトに行かせてあげると昔言われた。

結局、その受験校に行きたくなかったので、受験当日には手抜きをして、その受験校にも行かず、エジプトにも行かなかった。

 

そんなことを思い出した今、ポールマッカートニーの新作『エジプト・ステーション』を聴いている。

 

控えめにいって、最高である。

 

そもそも、手抜きが出来ないアーティストだし、駄作などあり得ないのだが、今回は力を入れすぎてカラ回りするような “贅肉” がないのが大きい。

では、スカスカかと言えばそんなことはない。アイデアがキチンと取捨選択されていて、メリハリがあり飽きさせない。重要なのは、付くべきところにつけ、削ぐべきところを削ぐという単純なことなのだが、意外と大変なのである。

それこそ、ジョージ・マーティンのようなプロデューサーでもないと、ポールのようなアイデアマンには基本的には圧倒されるばかりなのかもしれない。

 

とにかく、アイデアの暴走が今回は極端に少ない。というか、ない。そして、それ以上にメロディーラインが素晴らしい。

 

ポールの好きなところは、一曲に最強メロディーラインが一つあれば、曲などどうとでもなるということを証明してくれるところだ。下手な展開など、野暮。したければ、メドレーにすれば良い。

そんな開き直りが、とにかくこのアルバムの楽曲からはマザマザと思い知らされる。

 

というわけで、本編そっちのけで急ぎ書いたのだが、分かっていただけだろうか?メロディーラインとアイデアの肉付きの良さ、それが今作ではベストマッチなのです!

『エジプト・ステーション』は買いです。

 

追伸 → 今回、ベースラインがソロ以降で最高に素晴らしい。というより、アルバム通して、ベースラインが気持ちいいのは本当に初めてなのではないかと。(ま、ポールの作品を全て聴いてるわけではないので、断言はできまへん。)

ベストアルバム論。その2の2。

Disc 1

 

1. Can’t Stop!! -LOVING-

言わずもがなのデビュー曲。そしてデビュー曲で 2 位というのは、最後までいじられ続けられた、SMAP らしい愛されるべきデビュー曲。 ファン投票の順位も 33 位と、まあ煮え切らない順位。

前回書いたように、まずベスト盤に収録されない曲なので、それだけでも珍しい。 曲調もいかにもアイドルという感じの、キラキラポップの元気ハツラツという感じ。ただ、こういうアイドルが減っていったなかで、レパートリーとしてこのような楽曲を持っていたことが SMAP の強みであったことは間違いない。

また、途中で童謡「きらきら星」が入っていたり、そのメロディーとサビのメロディー が重なるエンディングはかなりドラマティックである。こういうメロディーが重なったり、若しくはメロディーライン同士の追いかけをさらっと行われるのは SMAP ポップスの一つのかたちだったりする。

そういう意味でも SMAP らしい楽曲である。

 

2. BEST FRIEND

ファン投票、堂々 3 位のバラード。SMAP の楽曲のなかでも重要な意味合いをもつ楽曲の一つでもある。

重要な理由は、一つには森君の脱退時に最後に歌った楽曲であることが挙げられる。 そういう意味では彼らにとって一つの卒業ソングである。しかしもう一つには、 稲垣君復帰の楽曲でもある。そういう意味では、お帰りなさいの楽曲でもある。 簡単に言えば、メンバー同士の絆を確認する楽曲であると言えよう。

そしてそのような楽曲が、デビュー曲に続いて二番目に来てしまうあたり彼らの運が垣間見える。ちなみに二曲目にバラードが来ることも、アルバムの構成としては王道パターンとして一つあるので、そのような意味でも完成された形である。

ちなみに、有名な楽曲であるけれど、実はカップリング曲。しかも一番売れなかったシングル『負けるなBaby〜Never give up』だったりする。そんな楽曲でも収録されてしまうのが SMAP の面白さだし、魅力だし、彼らの強さだったりする。

 

3. 笑顔のゲンキ

ファン投票、滑り込み 50 位。 個人的には第一期、第二期の分岐点のシングル。

『COOL』においては、テンポをかなり落として再録。ミドルバラードになっており、 ほとんど原曲をとどめていないのだが、名曲には変わりない。個人的にはこちらの方が好き。

『COOL』にはこの楽曲より前のシングルは集録されておらず、これが分岐点と 言っている根拠。ここから SMAP は『雪が降ってきた』などの季節ものシングルや、次曲の『君は君だよ』のようなミドルテンポのバラードなどを発表していき、最終的には『$10』 で、若者を代弁するカッコいいアイドルへと変貌することになる。

 

4. 君は君だよ

ファン投票 30 位、デビュー曲より上の順位の楽曲。

このベストアルバムを語るうえでどうしても外せないのは、解散発表後に制作が決定したこと。そしてその影がどこかでちらついてしまうことだろう。 正直な話、この楽曲もこの延長線上にある気はする。そしてそれは SMAP らしい楽曲であることも多い。

歌詞の世界観は『世界に一つだけの花』同様に、個人の尊重や多様性への肯定というところで同じである。しかし、『世界~』があくまでも一市民なのに対して、この楽曲はアイドルという少し上の視点から肯定する点で少し違う。このあたりが、この時期の “揺らぎ” なのだと思う。 そして、魅力だ。

個人的には、たまに見かける昔の映像での王子様風の衣装が、割と好み。ここら辺にも “揺らぎ” が見えるのが面白い。

 

5. どうしても君がいい

ファン投票で 7 位、表題曲越えのカップリング曲、その 2。 この曲も解散発表の影に押されたが曲のように思える。ただそれだけで 7 位に入るの は至難の業なので、もともと隠れた人気曲だったのかもしれない。

アルバム自体への収録は 2001 年発売の裏ベスト『pamS(裏スマ)』にも入っている。その年のコンサートでは歌われなかったものの、2003 年のコンサートでは終盤でロック色強めにアレンジされ、大いに盛り上がった。(個人の感想です)

『君は君だよ』がアイドル目線なのに対し、こちらは同年代の男の子という感じ。 『雪が降ってきた』以降のシングルを考えれば、こちらが表題曲に来てもおかしくないが、 そこもまだ地が固まっていない “揺らぎ” なのだろう。

 

6. $10

さて、どことなーーーーーく湿っぽい楽曲が一曲目から続いてきた中で、ようやくラ イブの定番曲がやってきて、明るい雰囲気を持ってくる楽曲が来た。順位は 39 位と低いものの、この曲無しではライブアーティスト SMAP を語れない、名刺代わりの『$10』である。

先ほどから、往年のアイドル路線で進むのか、若しくは等身大の男の子路線で行くのか、 “揺らぎ” について言及してきたのだが、ここでは等身大の自嘲するお兄さんアイドル という形でアウフヘーベンされ、乗り越えた形になっている。この、一歩先へと導く視点こそが SMAP の一つの大きな武器となったし、それを掴んだのが『$10』だったと言える。

そういう意味では二枚目のデビュー曲的な意味合いも強いのだろうが、とにかくリミックスが多いのもこの楽曲の魅力。ライブバージョンも含めればそれだけでおそらく一枚のアルバムが完成する。反対に、シングルバージョンの方が披露される機会が少ないのでは?

 

7. 君色思い

さて、揺れては戻る SMAP が求めるアイドル像ではあるが、キラキラアイドル路線の最後ともいえる楽曲『君色思い』、ファン投票では 22 位。

この曲は何を差し置いても、中居ソロから始まる点に尽きる。次に、大サビ前の香取ソロ。もしかすると、バラエティ枠の両輪を担うこの二人がキラキラアイドル路線の象徴なのではないかと思う。 楽曲としては、サビでの「愛してるー」の追いかけが印象的。

 

8. オリジナルスマイル

ファン投票 4 位、ギリギリトップ 3 に入れなかったものの、シングル曲では最高順位という、ある意味勝ち抜いた楽曲といっても過言ではないだろう。5年前に発売された 『SMAP AID』では堂々の一位。楽曲自体の最高順位はオリコン 2 位だが、コンサートで歌われ続けた、愛された楽曲である。

さて、SMAP のラストライブをどこに持って行くのか、というのは色々と議論の余地を残していると思うが、個人的には 2016 年元旦の CDTV だと思っている。確かに、解散騒動後の NHK「明日へコンサート」やスマスマラストの『世界に一つだけの花』も印象的ではあるが、純粋な SMAP 演出のライブでいうと CDTV が頭一つ抜けている。そしてそこで最後に歌われたのが、何を隠そう『オリジナルスマイル』であった。 ちなみに、「明日へコンサート」の一曲目もこの曲だったりする。

このあたりが、他のシングルを抑えて 4 位に入っている理由だろう。

 

ベストアルバム論。その2の1

  前回のシリーズものを書き終えたときに、ベストアルバム論ひいてはベストアルバム批評がこのブログの主軸になるんだろうと思って以降、次をどうするかと考えて、結局 SMAPSMAP 25 YEARS』を選ぶことにした。

  そもそも SMAP におけるベストアルバムは、その音楽活動において重要な役割を果たしていると考えている。初めに、そのことに触れておこうと思う。そして、もちろんこのことを前提に、上記のアルバムも書くつもりだ。

 

  さて、SMAP にはこのアルバム以前に、五つのベストアルバムがある。すなわち『COOL』 『WOOL』『SMAP Vest』『pamS(裏スマ)』『SMAP AID』であるが、このうち『SMAP Vest』のみコンピレーションアルバムで、あとはファン投票だったり、もしくはシングル以外の人気曲を集めたものだったりする。 当方、SMAP の音楽性は25年間(実動24年間)で約八回大きな変化がったと考察している。第一期はキラキラアイドル期、第二期は音楽性模索期、第三期は 6 スマ期、第四期は雑食期、第五期は『世界に一つだけの花』期、第六期は J-pop 期、第七期は香取慎吾プロデュース期、第八期は SMAP 覚醒期とまあ雑だけど、割と良い線いってると思う。

  ここで重要なのは、上記のベストアルバムがどの範囲を対象にしているかである。面白いことに『COOL』に入っているシングルは第二期オンリー、『WOOL』も第二期から第三期 のみ、『pamS(裏スマ)』はシングルなしで第一期から第三期まで幅広く、『SMAP AID』は 第五期から第七期が中心となっている。 アイドルの常道、というモノがあるかどうかは分からないが、基本的にはデビュー曲が代表曲、もしくは一般に周知されているというパターンが多い気がする。しかし見ての通り、 SMAP の場合はデビュー直後の第一期の楽曲をベストアルバムにほとんど収録しない形をとっている。それをこのアルバムではどう扱っているかが、一つの注目ポイントである。

  二つ目は、『SMAP AID』との差別化である。見て行くと分かるが、被っている曲が多いのもまた事実なのである。その中で、『SMAP AID』以降の楽曲、特に第八期の曲が何曲入っていて、それでいてどのような曲が選ばれたのかが注目ポイントである。

  そして最後に、ファンによって選ばれた三枚組全 50 曲がどのように降り割られたか、つまりどのようなグループ像を浮かび上がるように演出しているかをポイントとして挙げる。 あるいは年代順にすることによって起きるマジックとも言える。

 

  では、このベストアルバムをここからは一曲ずつ見て行こう。

  ただ、長すぎて実は先が見えてないです。8月中に終わるかな…

口に優しい言葉から

 

びっくりするくらい反対の意見が自分に飛び出してくることがある。

一週間とは言わないものの、割と短期間のうちにである。

戸惑いがないわけではない。やれ、話の内容が「面白い」「面白くない」、容貌の「良し」「悪し」、または「綺麗」「不潔」、歳が「若い」「老けてる」なんてこともあった。

 

当方としては、どちらが嬉しいということもない。他人のいうことなど千変万化、その時々に切り取った「私」を見ているだけなので、左右されないのが吉だ。

 

ただ友人関係は別で、彼らはよく見ているので、礼を忘れないようにしつつ、あまり気取らないようにもする。“親しき仲にも礼儀あり”というが、礼を尽くす価値のある人を、「友人」ともしかしたら考えているのかもしれない。

 

しかし、人間思いがけず、不思議な言葉をかけられることもある。

訳あってメイクを施してもらったときに、「あなたの顔は完成されている」と例えられたのである。

 

「美しい」「若々しい」ならともかく、「完成されている」という言葉は非常に不思議な心持ちがした。

当方まだ二十歳過ぎにして未だ道成らずの身なので、「完成」も何もないのだが、その言葉が自信をくれたことは確かである。

 

今の自分を頂点だと思う気はさらさらないが、一つのピークを迎えてると前向きに捉えることができる嬉しい出来事であった。

 

 

ベストアルバムについて。 5

Disc2

1 スペードのエース

二枚目最初の曲。景気づけに最強。 この曲目当てで、『SUPER ZOO!!!』を買うくらい、ドンピシャなロックンロール。

「空からは気紛れな雨」というフレーズがもう好きすぎて、いつでも頭の中で掻き鳴っている。

ちなみに、SMAP の楽曲コンペに出した曲とのこと。ここら辺の考察は、別項目に。語りたいことが多すぎる。

 

2 十字路

ドライビングソングって感じの、疾走感の気持ち良い楽曲。 この曲を聴きながらどこまでも飛ばしていきたい、と言いたいけれど、免許持ってないので、言い切れないこの悔しさよ。

 

3 魚藍坂横断

さて、『ANGEL』から続いた『SUPER ZOO!!!』の楽曲群もここで終わり。実際に元のアルバムでは最後の楽曲を飾るので、そこの違和感に少し惑いつつ、ただゆったりとした空気を楽しんでいる。 「ある晴れた午後の 魚籃坂横断」の気持ちよさ。日本語の響きとして嵌りがすごく良い一方で、詩としても逃げてないのが、CARNATION のロックの形だと思い起こさせる、一曲。

4 オフィーリア

丁度、このアルバムを買いに行っていたときに店内に流れていた楽曲…ということを覚えているくらいに、キャッチ―で、それでいて切ないメロディーを持っている楽曲。 ただ演奏自体は力強く、グルービーで、そしてそれがまた強がっている感じがして、切なさが増してくる。

 

5 PARADISE EXPRESS

この楽曲も踊れるロック。ドラムの跳ね具合が非常に楽しい。 前の楽曲の切ない感じを吹き飛ばしつつ、グルーヴさは相変わらず見せつけてくる。あと唐突な C メロも楽しい。いや、ここでぶっこむ!?というか、まだメロディーライン出してくる!?という驚きの曲。

 

6 ジェイソン(Short Version)

Short Version とあるが、5 分ある曲。驚きポイント 1。

出だしの「ジェーイソン、ジェーイソン!」の驚きポイント 2。

この曲からドラムが抜けてついに二人組に。驚きポイント 3。

とまあ、何かとトピックの多い曲。楽曲自体は、『夜の煙突』並みに、ロックンロールのノリ一発感も強いけど、まあ退屈させないのがすごい。 こうなると、Long Version が気になる。

 

7 さみだれ

楽曲自体はノリのよい疾走感のあるロックンロール。ただメロディーラインや歌 詞の内容は非常に愁いを含んでいるものとなっている。ドラムが抜けたことへの吹っ切れ感が前の楽曲で出てきているのであれば、この曲では喪失感が現れているとも言える。

 

8 I LOVE YOU

さて、東北の震災後に発表された曲なのだが、楽曲自体は更に前からあったという、 色々と経緯が複雑な楽曲。

内容自体はこっぱずかしくなるくらいストレートなラブソング。メロディーラインもストレートだし、楽曲もスパッと終わるので、オールディーズの雰囲気が漂う楽曲。

 

9 アダムスキー(Album Mix)

ここからは、おおよそリアルタイムで追っている楽曲で、当方としては顔なじみ という感じだ。

しかしである。問題は入口として聴いた次曲を除くと、アレンジで全面に出てくるのは意外と打ち込みの音。あと、歌詞もかなり不思議というか、とっつきにくい。反対に言えば、全く若さを失っていない。初めて聴いた感覚でいうと、「本当に 35 年もやってきたバンドなの?」と疑いたくなる、そのくらい遊び心が満載。

その代表格『アダムスキー』、記念ライブでは一曲目だったとか。

現在の CARNATION は、この曲から地続きという感覚なのかもしれない。

 

10 いつかここで会いましょう

さて、大本命というか、個人的には思い出深い曲。さもありなん、この曲で出会ったのだから。

素敵なポップチューン。 ドラム、ベースのリズム感もさることながら、メロディーラインの美しさ、歌詞も良い。「高圧鉄塔のむこうへ」ってどうやったら出てくるのだろう。

ただ、この楽曲は題名「いつかここで会いましょう」が、すべてを物語ってい る。この題名で名曲じゃないわけがないって感覚ありません?

 

11 E.B.I.

エビフライ。いや、本当にエビフライという一単語に収まる曲なのである。

ちゃんとしなきゃ、ちゃんとしなきゃ、って言ってる人が歌うロックンロールで はない。

楽曲のノリが若いのと関係あるかどうかは分からないが、やたらと食に関する楽 曲が多いのも、最近の特徴かもしれない。

 

12 Peanut Butter & Jelly

個人的に『いつかここで会いましょう』と並ぶ、ポップサイドの CARNATIONの代表曲、というかお気に入り。ドッシリと構えつつ、しっかりと跳ねる。

ちなみにドラムは、脱退した矢部さんが担当している。しかし、以前のような強いグルーヴではなく、アダムスキー以降のポップス路線を意識したリズムを“奏でて” いる。

 

13 Little Jetty

さて、このベストアルバム唯一のベーシスト大田さんがヴォーカルをとる楽曲。直江さんも年季の入った味わい深い声をしているけど、大田さんも負けないくらい、艶やかな声をしている。

ここまでが既出曲。

 

14 Future Song

新曲。こちらは五人時代のメンバー勢ぞろいで鳴らされた楽曲。 『長い休日』でも触れたが、この曲でも足し算引き算溜め走りが完璧に行われていて恐れ入る。

“物語の中に僕たち暮らしてた”っていうフレーズのうまさ。こんなにもバンドと いうモノを強く意識する歌詞に今まであったことはない。

 

15 サンセット・モンスターズ

新曲。こちらは最近組んでいる若手のメンバーと鳴らされた楽曲。 まあ、まだまだくたばる気がないということがよくわかる楽曲だし、それでいてそれ以上にこれからに期待してしまう楽曲。

 

というわけで、全 30 曲追ってみたわけであるが、如何だったでしょうか。

 

このベストアルバムで見えて来るのは、ロックンロールを起点としながらも、ポップスへの姿勢を妥協しない点が一つとしてあること。

二つ目には、美しくてフックのある メロディーラインを描きつつも、そこに乗せる日本語も、詩として決して一筋縄ではいかない面白さを垣間見せるということ。

そして最後に、CARNATION 自身がバンドという物語を非常に楽しんでやっているということ。『Future Song』で取り上げた歌詞はそれを端的に表していると思う。 このことは、もしかするとベストアルバムが如何なる布石にもなっていないことを示唆するかもしれない。

 

“サンセット・モンスターズ サンセット・モンスターズ 心の 中に居るはずさ きっと”っていうのは、バンドとは違う心のどこかで新しい企みが始まる面白さの表れとも取れる。そうだとすれば、過去のような楽曲が出来ることはこのベストアルバムに収録された新曲『Future Song』で証明しつつも、違う新たな可能性が次に出てくることはある意味請け合いだろう。

 

と言いつつ、新譜を気長に待とうと思う。

ベストアルバムについて。 4

 

ここまで長かったですが、本題は此処からです。

とにもかくにも、全二枚組 30 曲、熱いロックンロール。 ただ、その熱いなかにも、メンバー脱退や音楽性の変化がある。

個人的には、ちょうど 1 年半くらい前に「いつかここで会いましょう」で知ったので、「すごく知っているわけではないけど、最近はほぼリアルタイムで追っているので知らないこともない」というふわっとしている状態。まあ、このベストアルバムは偉そうに聞こえるが「渡りに船」 である。

 

というわけで、この「渡りに船」なベストアルバムを、一曲ずつ追っていこうと思います。いやどう考えても長くなるな、これは...。

 

Disc1

1  夜の煙突

「梯子を上る途中で振り返ると僕の家の灯りが見える」、このフレーズに尽きる。 ロックンロールのスピードで、情緒的な詩を織り交ぜられるんだから、カッコ いい。MOONRIDERS鈴木博文が一目置くのもわかる。

アレンジはストレートだけど、だからこそメロディーラインのポップさも引き 立ってると思う。

 

2  未確認の愛情

打ち込みも入っていて、一曲目とはアレンジの利かせ方が違う。全体としては多 幸感あふれるホーンセクションが目立つけど、最後の激しいギターソロを聞いて いると、ロックを感じる。

直江さん曰く、初めて日本語詞が上手く乗った曲とのこと。(「夜の煙突」は事故的にうまく行ったらしい)。

 

3  Edo River

多分、この曲か次曲を YouTube で聴いてこのバンドを知ったんだと思う。あと、 この曲などが入ったベストアルバム『SPY FOR THE BAND』は繰り返し聴いていたので、勝手知ったる曲という感じ。

ただリマスタリングによって突き抜け感がアップしてて、より開放的にワーリ ヤーリヤーリヤーという感じだ。

個人的にはこの春に上京してきたからそういう意味でも、印象深い一曲。

 

4  It’s a Beautiful Day

文句なしの楽しい曲。順番も『SPY FOR THE BAND』と同じなので、初めまして感がないし、初めて聴く人もこの順番のすっきり感には驚くんじゃないだろうか。

「でもロンリー」っていうのが好きなフレーズ。一人で居る時も、素敵な一日だ もの。

あと、フェードアウトで終わらないバージョンがあることに、このアルバムを聴いて地味に驚いてる。こっちのほうが好き。

 

5  Garden City Life

アルバムとしては久々にロックンロール色が前面に出ている曲。『SOY FOR THE BAND』にも入っているし、存在は知っていたけど、その時にはピンと来なかった曲。

タツムリや蝉の抜け殻とか、あまり聞きなれない単語がさらっと入っていて、 きちんとカッコいいのが面白い。

これも孤独大好き曲。

 

6  I WANT YOU

すんごいオシャレな曲。

『No Goodbye』のカップリングで、個人的には表題曲も好きなだけに、なぜカ ップリングが、という感じだったけど、一聴すればポップな中に感じるブラックミ ュージックの感触や、大サビ前のコーラスの乗り方とか、メチャクチャかっこよくてビビる。

 

7  New Morning

これも大好きな曲。ほんとにもう一回がんばろうと思うんだよ。すんごいロックンロールだし、力強いし、何よりも堂々とすべての楽器が掻き鳴らされてて、かつコーラスまで伴ってグルーヴが背中から押し出されていくとい うか、負けない気がしてくるんだよな。

あと、PV も気取ってなくて好きだ。

 

8  サンセット・サンセット

ここからはバラードで、スローテンポで、ロマンティックな楽曲が並ぶ。

ベースとドラムに合わせながら、ボーカル・キーボード・ギターが順々に、前に 出てくる印象。

曲順としては、“朝”のあとに“夕ぐれ”が来て“月”が出てくるのも面白い。

 

9  月の足跡が枯れた麦に沈み

ファン投票で一番人気があった曲。 おもちゃ箱のなかから聞こえてきそうな、軽快な楽曲。歌詞もバラエティに富ん だ単語が並ぶ。

ポップでロック、それでいて不思議な歌詞と、それを納得させるヴォーカルのし なやかさ。CARNATION の代名詞。

 

10  Strange Days

ゆっくりとした抒情的なナンバー。 すごいフックがある曲ではないけれど、こういう引き算のある演奏が出来るかどうかが、ポップの幅広さが決まるきっかけになるのではないか。

 

11  REAL MAN

これも好きな曲。 ただ、初めて聴く人は、ここで少し戸惑うのではないかと思う。とりあえず、こんなスペーシーなサウンドはこのアルバムの中には無かったからである。ただこの疾走感や、無限にどこまでも広がっていくバンドの推進力は、ここまで聞いてきた人には、納得のいくサウンドだと思う。

 

12  センチメンタル

なんとなく、別れが近づいてきていることを匂わせる楽曲。実際、次曲の録音の のち、ギターとキーボードが抜けてしまうわけだけど、それでもこのサウンドの切なさは、この時期にしか取れないんだろうと思う。

この感じは、『SPY FOR THE BAND』では感じなかったので非常に新鮮。

 

13  長い休日

とにかく最強のポップソング。そしてロック。 たった三分の中に、足し算引き算溜め走りのアレンジが隙なく詰まっている。もし、この世界で最も完成されたポップスを挙げろと言われたら、文句なしにこの曲 を挙げる。それだけ、隙が無い。

まだまだ褒めちぎってしまえるが故に、ここからは別記事を用意するつもりなので、ここで書き置くが、ブログのタイトルはもちろんこの曲からである。

長い休日、坂道の途中。

 

14  やるせなく果てしなく

ここからは、スリーピースに移行してからの楽曲。

やはりどこかに寂しさを感じるが、音が少なくなっている分、リズム隊のしっかりとしたタイトなグルーヴをガ ッチリと感じれる楽曲になっている。

あと、きちんと踊れるロックなんだよなあ。

 

15 ANGEL

さて、一枚目最後の曲である。

先ほどの曲に続いて、スリーピースのバンドという感じで、しっかりとしたリズ ム隊の上に、ポップなメロディーラインが踊っているロックンロール。

不思議なくらい歌詞が素直でこっぱずかしくなるけど、それすらカッコいい。

あと、スリーピースになってから、直江さんの高音の響きがメチャクチャ綺麗になっている気がする。

 

というわけで、前半戦終了。

まだ、半分残ってることに驚きつつ、緩く楽しく書く、予定。