長い休日

とにかく書く。

ベストアルバムについて。 4

 

ここまで長かったですが、本題は此処からです。

とにもかくにも、全二枚組 30 曲、熱いロックンロール。 ただ、その熱いなかにも、メンバー脱退や音楽性の変化がある。

個人的には、ちょうど 1 年半くらい前に「いつかここで会いましょう」で知ったので、「すごく知っているわけではないけど、最近はほぼリアルタイムで追っているので知らないこともない」というふわっとしている状態。まあ、このベストアルバムは偉そうに聞こえるが「渡りに船」 である。

 

というわけで、この「渡りに船」なベストアルバムを、一曲ずつ追っていこうと思います。いやどう考えても長くなるな、これは...。

 

Disc1

1  夜の煙突

「梯子を上る途中で振り返ると僕の家の灯りが見える」、このフレーズに尽きる。 ロックンロールのスピードで、情緒的な詩を織り交ぜられるんだから、カッコ いい。MOONRIDERS鈴木博文が一目置くのもわかる。

アレンジはストレートだけど、だからこそメロディーラインのポップさも引き 立ってると思う。

 

2  未確認の愛情

打ち込みも入っていて、一曲目とはアレンジの利かせ方が違う。全体としては多 幸感あふれるホーンセクションが目立つけど、最後の激しいギターソロを聞いて いると、ロックを感じる。

直江さん曰く、初めて日本語詞が上手く乗った曲とのこと。(「夜の煙突」は事故的にうまく行ったらしい)。

 

3  Edo River

多分、この曲か次曲を YouTube で聴いてこのバンドを知ったんだと思う。あと、 この曲などが入ったベストアルバム『SPY FOR THE BAND』は繰り返し聴いていたので、勝手知ったる曲という感じ。

ただリマスタリングによって突き抜け感がアップしてて、より開放的にワーリ ヤーリヤーリヤーという感じだ。

個人的にはこの春に上京してきたからそういう意味でも、印象深い一曲。

 

4  It’s a Beautiful Day

文句なしの楽しい曲。順番も『SPY FOR THE BAND』と同じなので、初めまして感がないし、初めて聴く人もこの順番のすっきり感には驚くんじゃないだろうか。

「でもロンリー」っていうのが好きなフレーズ。一人で居る時も、素敵な一日だ もの。

あと、フェードアウトで終わらないバージョンがあることに、このアルバムを聴いて地味に驚いてる。こっちのほうが好き。

 

5  Garden City Life

アルバムとしては久々にロックンロール色が前面に出ている曲。『SOY FOR THE BAND』にも入っているし、存在は知っていたけど、その時にはピンと来なかった曲。

タツムリや蝉の抜け殻とか、あまり聞きなれない単語がさらっと入っていて、 きちんとカッコいいのが面白い。

これも孤独大好き曲。

 

6  I WANT YOU

すんごいオシャレな曲。

『No Goodbye』のカップリングで、個人的には表題曲も好きなだけに、なぜカ ップリングが、という感じだったけど、一聴すればポップな中に感じるブラックミ ュージックの感触や、大サビ前のコーラスの乗り方とか、メチャクチャかっこよくてビビる。

 

7  New Morning

これも大好きな曲。ほんとにもう一回がんばろうと思うんだよ。すんごいロックンロールだし、力強いし、何よりも堂々とすべての楽器が掻き鳴らされてて、かつコーラスまで伴ってグルーヴが背中から押し出されていくとい うか、負けない気がしてくるんだよな。

あと、PV も気取ってなくて好きだ。

 

8  サンセット・サンセット

ここからはバラードで、スローテンポで、ロマンティックな楽曲が並ぶ。

ベースとドラムに合わせながら、ボーカル・キーボード・ギターが順々に、前に 出てくる印象。

曲順としては、“朝”のあとに“夕ぐれ”が来て“月”が出てくるのも面白い。

 

9  月の足跡が枯れた麦に沈み

ファン投票で一番人気があった曲。 おもちゃ箱のなかから聞こえてきそうな、軽快な楽曲。歌詞もバラエティに富ん だ単語が並ぶ。

ポップでロック、それでいて不思議な歌詞と、それを納得させるヴォーカルのし なやかさ。CARNATION の代名詞。

 

10  Strange Days

ゆっくりとした抒情的なナンバー。 すごいフックがある曲ではないけれど、こういう引き算のある演奏が出来るかどうかが、ポップの幅広さが決まるきっかけになるのではないか。

 

11  REAL MAN

これも好きな曲。 ただ、初めて聴く人は、ここで少し戸惑うのではないかと思う。とりあえず、こんなスペーシーなサウンドはこのアルバムの中には無かったからである。ただこの疾走感や、無限にどこまでも広がっていくバンドの推進力は、ここまで聞いてきた人には、納得のいくサウンドだと思う。

 

12  センチメンタル

なんとなく、別れが近づいてきていることを匂わせる楽曲。実際、次曲の録音の のち、ギターとキーボードが抜けてしまうわけだけど、それでもこのサウンドの切なさは、この時期にしか取れないんだろうと思う。

この感じは、『SPY FOR THE BAND』では感じなかったので非常に新鮮。

 

13  長い休日

とにかく最強のポップソング。そしてロック。 たった三分の中に、足し算引き算溜め走りのアレンジが隙なく詰まっている。もし、この世界で最も完成されたポップスを挙げろと言われたら、文句なしにこの曲 を挙げる。それだけ、隙が無い。

まだまだ褒めちぎってしまえるが故に、ここからは別記事を用意するつもりなので、ここで書き置くが、ブログのタイトルはもちろんこの曲からである。

長い休日、坂道の途中。

 

14  やるせなく果てしなく

ここからは、スリーピースに移行してからの楽曲。

やはりどこかに寂しさを感じるが、音が少なくなっている分、リズム隊のしっかりとしたタイトなグルーヴをガ ッチリと感じれる楽曲になっている。

あと、きちんと踊れるロックなんだよなあ。

 

15 ANGEL

さて、一枚目最後の曲である。

先ほどの曲に続いて、スリーピースのバンドという感じで、しっかりとしたリズ ム隊の上に、ポップなメロディーラインが踊っているロックンロール。

不思議なくらい歌詞が素直でこっぱずかしくなるけど、それすらカッコいい。

あと、スリーピースになってから、直江さんの高音の響きがメチャクチャ綺麗になっている気がする。

 

というわけで、前半戦終了。

まだ、半分残ってることに驚きつつ、緩く楽しく書く、予定。