長い休日

とにかく書く。

ベストアルバムについて。

 

アルバムという形態が好きである。

 

どのくらい好きかというと、毎週自分で十曲ずつプレイリストでアルバムを作り、そ れを一週ずつ音楽プレイヤーに入れていくという遊びをかれこれ二年ほどやっているくらいである。そんな、配信という形態がいまいち馴染めない、当方二回目の年男、この内容も書いてみたいが、一まず今はさておき、しばらくのお題はベストアルバムである。

 

ベストアルバムを作る理由はアーティストそれぞれだろうが、今回は「良いベストアルバムにはそのアーティストの生き様が反映している」という話。動機は、35 周年を迎えた大アーティスト CARNATION の最新ベストアルバム 『LONG TIME TRAVELLER』である。

 

全 30 曲の中に、代表曲と裏名曲、分岐点となる曲、さらには新曲まで含めた“野心的な”選曲で、年代順でアーティストの世界観を旅行することができる、ベストアルバ ムになっている。とはいっても、当方 CARNATION を知ったのはココ 1、2 年ほどであり、知っている曲自体もそこまで多い訳ではない。だから新鮮に聞こえるというところも多分にあるのだが、いやはやそのような事情がなくてもこのベストアルバムは“買い”であるだろうと考える。

 

そもそもベストアルバムの機能とは何かというと、賛否はあるだろうが、一つはコンピレーション的な意味合いだろう。つまり、この一枚を持っていればシングルを全て網羅できる、もしくはオリジナルアルバムと合わせれば全ての音源・楽曲を網羅することができるというモノ。大半はこのようなものが多いのではないのだろうか。

二つ目に挙げれるのは、そのアーティストを紹介する、言わせれば“試聴盤”ともいうべきモノ。一つ目と被りそうだが、よりシングル曲を厳選されている場合もあれば、 ライブの定番曲が入り込んでいる場合もある。

三つ目には、自分の足跡を纏めるためにアーティスト自身がベストアルバムを編む場合である。今回お題とするのはこのタイプである。しかし、少し違うのはアーティストが独りよがりで選曲するのではなく、ファンもこの選曲に携わるという点であり、またこのことによって起きる、“不思議なマジック”について語りたい。

 

結論を先出しするならば、「生き様は信念と、支持される人々によって、形づけられ、大きな一つの完成を見る」とでも言おうか。ベストアルバムにここまでの話が眠っているのか、見切り発車で、短い旅に出てみるとする。